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- 現代語訳
館江被召呼候節者品々預御恵送、誠以
忝奉存候、一袖之儀、分而御心入之品々
取請候間、隨分致秘蔵幾久敷御形見
可仕候、二巻者家内之補用可相調、當
分友利にや得預置肝入頼入候、去年
當歳思召之外段々之物入差屯一家
究迫之境節ニ而是また心底之程不得
申上候、妻江之壱反も折節入用有之才覚
之砌、御蔭を以早速用相達別而忝
存上申候、御礼之儀拙者前より能々相心得
候而得御意候様ニ而呉々申事御座候、此程
幾度の期貴面候へとも□座打
まつり御礼及前後無調法之至奉存候、
右之御断旁為可申上如此御座候、以上、
七月十日
追而得御意候、一昨夕者以参緩々得御□
旅館へお呼びくださった節には。さまざまなお品をお恵み賜り、まことにありがたく存じている。一袖のお品は、ひときわ心のこもった品として拝受し、大切に秘蔵し、長く御形見として保ちたいと考えている。また、二巻の品は家内の補いとして役に立つもので、現在、友利に預け置き、大切に保管するように頼んでいるところである。昨年から今年にかけて、思し召しのほかにさまざまな物入りが重なり、一家は急迫の境にあり、心底の事情までは申し上げ難いほどであったところ、[ ]折よく入用があった折、御蔭により早速用を達することができ、格別にありがたく存じている。御礼の件については、もとより心得ており、ご意向に沿うよう、重ねて申し述べる次第である。このところ幾度もお目にかかろうとしながら、折り合わせがつかず、御礼を申し上げる期が前後となり、不調法となったこと、深く恐れ入っている。右の御断りを申し上げることのために記すものである。以上。
七月十日
追ってご意向を得たく存じる。また一昨夜はゆっくりとお話しをすることができ、