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  • 現代語訳

行之儀、専得手之人品御吟味之上不
被仰付候得共、成就之遅速次第百姓之
難易御物之増減出来旁大切成境ニ
相係り候処、高良親方事偏ニ巧者之御
御取分を以座敷位より紫冠添而浚奉行
被仰付、御尤至極ニ奉存候、然者右通被叙
紫冠ニ候故人足幷諸事共官位應不
苦程之備者無之候而不叶相(衍字ヵ)、殊更御奉行
御始、横目・附々衆兼而御近付故[   江]
被引越居候ニ付而ハ、時々御取合茂相増、就
中御仮屋より被御招等有之、依時宜者、
彼旅宿江茂御奉行御出之程難計、不断
其手當無之候而不叶儀ニ候、然處、素より
少高剰負荷も有之由、右式家内窮
迫之躰ニ而ハ當職難勤至必与當惑之様
書面之通差當、何共不便之至存申候、

本来は、その作業に熟達した人物を厳選して任命しなければ、工事の進み具合いかんによっては工期の長短や百姓の負担、御物(費用)の増減にも関わる重大事であるが、高良親方の卓越した技能が評価され、座敷役から紫冠を添えて浚奉行に任じられたことは、まことにもっともなことであると考える。しかしながら、紫冠を授けられた以上、工事に必要な人足や諸々の準備は、官位の格式にふさわしいだけの備えがなくてはならない。とりわけ、在番奉行をはじめとして御附役・横目付など(薩摩藩役人)と近しい立場にあるべきため、[   ]に引っ越していることについては、しばしばお付き合いの機会も増える。とりわけ、御仮屋(在番奉行所)からのお招きがある。場合によっては、高良親方の旅宿に在番奉行がお出でになることも想定され、その準備がなければならない。そのため、経済的な負担も大きくなっているとのことで、高良の家計が窮迫しているような状況では、この職務がつとまらず、非常に困っているような様子であるのは書面の通りであり、なんとも不憫であると存じるものである。
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