11ページ目
- 翻 刻
- 現代語訳
存候、細々申越度者万々有之候得共、當日
御材木挽上ニ付而殊之外繁多ニ候而心意
之程不得申尽候、餘者春立便より可得御意候、
扨亦手縄一筋音問御志之程忝存候、
恐惶謹言、
九月五日 安室親方
平良親雲上
六月二十八日之御札令披見候、弥御堅達
被相勤珎重令存候、拙者儀六月十六日池
間㝡早致出楫、同廿一日はや〳〵那覇
之津近乗参り候處、風向被成不得乗
入被吹□、漸ク八ツ時分讀谷山間切之内
渡具知泊致漂着候、依之同廿二日陸より
致上京、此程勤方之首尾申上、令安堵
候段可及御察候、其地滞留中ハ内外共
無之懇切ニ申談候、令忘却無之候、殊更去年
細かく申し述べたいことは色々とあるものの、今日は御材木の挽き上げのため、取りわけ繁多であったゆえ、心中のほどを十分に書き尽くせなかった。そのほかのことは、春立便にて貴殿のご意見をいただきたいと思う。また、手縄一筋をいただき、音問とご厚志とのほど、ありがたく存じる。恐惶謹言。
九月五日 安室親方
平良親雲上
六月二十八日付の書状を拝見した。ますます変わりなく、ご健康に御用をお勤めの由、まことにめでたいことと存じる。私の方は、六月十六日に池間島からすでに出航して、同二十一日には早々と那覇の港近くまで乗り付けたが、風向きが悪く、入港できず吹き返され、ようやく八つ時頃に読谷山間切の内、渡具知泊へ漂着した。そのため、翌二十二日には陸路にて上京し、このたびの勤めの首尾を申し上げ、安堵した次第はご察しくださるであろう。当地に滞留中は、内外ともに隔てなく懇切にお話しいただいたことは忘れ難いものである。