6ページ目

ページ数:006(全54ページ中)
  • 翻 刻
  • 現代語訳

不過之是より先き或時者遊山、或時者
翫水亦或時者和歌之浦江茂御徘徊
一方ならす老[    ]上氣を彼養
事而已、長久を□詠歌者□家ニ可被□
□敷事共候、将又向後御詠歌共被遣候ハ丶
御指南可申与被示聞候、さて〳〵不存
寄儀何共難及御請候得共□か〳〵被申
聞儀を及御断候儀如何、尤和歌之通
不差置加相談、互ニ兼を求候社、其
友与申由俊成定家茂被仰置候ニ付、
小補ニ茂哉成候半与浅才を忘、御持せ之
一冊逐一拝吟いたし候、趣向成程面白
候得共、てにをは程柏子書合連讀等
ちと〳〵参り兼候様相見得候所有之、少々
朱を付致慮外候、定而見誤りも可有之候、
猶御調部之上□踰之沙汰於御容免

これからは、ある時は遊山、ある時は水辺を散策し、またある時は和歌の道を歩まれるなど、ひととおりではない老後の楽しみへと移され、気を養われるばかりである。長寿を[   ]、詠歌を[   ]することは[     ]。また、今後御詠歌などをお送りくだされば、御指南を申し上げ、お聞かせさしあげる。さてさて、存じ寄らぬ事柄は何であってもお受けするのは難しいとはいえ、そのほかいろいろお知らせになることを、これをお断り申し上げるというのは、いかがであろうか。とりわけ和歌の道のとおり、差し置かず相談しあい、互いに[  ]を求めあうものこそ、その友であると申すのだということを、藤原俊成・定家も述べているので、わずかな補いにでもなればと、自分の浅才を忘れ置き、その一冊を逐一拝吟した。趣向はなるほど面白いが、「てにをは」や文字の書き合わせ、文字の続け方など、少々正しくないように見えるところもある。少々朱筆を付しておいたのは、まことに僭越である。きっと見誤った箇所もあるかもしれない。なお、そちらで改めてご精査のうえ、もし行き過ぎた指摘があったとしても、お許しいただければかたじけないことである。
横にスクロールをして閲覧してください